当初、扇沢から針ノ木、黒部湖、ザラ峠を抜けて立山駅に抜ける“さらさら越え”をやる予定も、1週間前から結構な降雪があり雪崩の危険性を鑑み、親不知(日本海)から白馬岳への縦走に予定を切り替えたのは前回の記事で書いた通り。
ただ三連休の前日木曜日にも降雪。
更に金曜日の天気も大荒れ予報。
「 こりゃヤバイね 」と一緒に行くポール(小谷村在住:アメリカ人)と相談し、飛騨市神岡から薬師岳に前日計画変更。
天気と雪次第だが更に黒部五郎岳も、行けたら行こうとなりました。
因みにポールとの会話は全て英会話。
↑ ウソです。
私、OKとYES、NOしか英語は分かりません。
ポールは日本在住歴15年以上なので日本語完璧です。
以下
◼️ 3/19(金)
20:00 名古屋の自宅を車で出発。
0:00 飛騨市神岡町瀬戸(標高1,000m)に到着し5時まで車中泊。
疲れておりシュラフをザックから取り出すのが面倒いので、100均一のアルミシートを身体に巻きつけて寝ましたが、朝まで寒さは感じませんでした。
勿論エンジンは切ってますし、ダウンも上下来てますけどね。
気温は0度くらい。
100均の銀マットすごい。
◼️3/20(金)
5時起床。隣で同じく車中泊していたポールと準備開始。
今日の行程は、飛騨トンネルの横の登山口である飛越ルートからですが、瀬戸集落の和佐府橋から除雪されていないので、雪が積もっているロードを7km歩いて行く事になります。
6:00スタート。
途中までツボ足も意外と深く、2kmくらいからスノーシューに。
8:13 飛騨トンネルの登山口(1,449m)到着。
距離7km2時間で450mくらい標高を稼ぎましたが、この時間は計算外でした。
いよいよ入山。
最初からモフモフの新雪の中、視界悪い中でルーファイです。
ラッセルを交代しながら行きますが、全然進みません。
だいぶ吹雪ており尾根づたいのルートでも何度か間違えました。
ビックリするくらい進みません。
12:00ぐらいに今日行く予定の太郎平は諦め北ノ俣避難小屋に下方修正。
今年は先々週の檜尾岳といい、トレース無い中でのラッセルが多くて鍛えさせられます。
14:10 寺池山 (1,996m)
CT3:00になんと6時間です。
連続行動8時間。
私めここで意気消沈。(少し潰れてます)
ここから避難小屋まではCT50分と短いですし、ポールはまだ元気なので以降のラッセルを全部お願いします。
ここから緩やかな登りなのですが、全然小屋に到着しません。
そして小屋が見つからない。
もうこの際テントで寝ようかと悩みます。
16:10 やっと小屋を発見。
小屋に降りるルートは雪庇がはっており難しいので巻いて巻いて降ります。
小屋は4人くらいが泊まれる広さ。
docomoはダメでauは辛うじて繋がります。
「 修理中 」の札が貼ってあったので、神岡振興組合に連絡し許可を貰います。
寺池山からCT50分が2時間10分。
登山口からCT3:50が8:20と厳しい登山でした。
疲労感がかなりあり小屋に入りすぐ着替えてシュラフに入り1時間睡眠。
食事を取る気力もありません。
その間にポールはお湯を作ったりご飯食べたり。
私も寝たら回復したので、カップ麺を2つ食べビールを2本と、日本酒を熱燗にして飲みます。
ポールと幽霊が自宅に出たとか、私生活や山、明日の計画を話します。
ポールは雪崩に対して知識が多く、明日も雪の状態次第で再考ありきの慎重さ。
降雪後24時間以内が雪崩やすいし、ここからは樹林帯が無いので確かに危険。
ポールは20時頃就寝。
私、寝てからは絶好調。
22時までホットウイスキーを飲みながら仙波さんとかとメール。(笑)
小屋は氷点下6℃でしたが、シュラフはモンベルの#2で朝まで寒さは感じませんでした。
◼️3/21(土)
5:00にゆっくり起床し朝食後の6:40スタート。

中腹までやっぱりラッセルです。
しかも雪崩そう。
ビーコン付けてても戦々恐々で2人離れて登ります。
動画を撮りましたが、風がかなり強いです。
でも上に行くほど雪が風で飛ばされており、CT100%くらいで昨日より全然楽に進めます。
8:30 稜線 サミットプッシュ
耐風姿勢を取りながら山頂に向かいます。
風速は20mくらい。
身体が斜めになり少し面白い。
8:43 北ノ俣岳登頂
薬師岳がすごく大きくてキレイ。
槍ヶ岳、笠ヶ岳がキレイ。
ここでiPhoneのバッテリーダウン。
あーあー....。
お金結構使って、眠い中長距離運転して、23kgのザック背負って、痛いだの疲れただの言って、猛吹雪の寒い中を、あーここ落ちたら死ぬなとか考えながら、この5分間のサミットの達成感と、この景色を見る為に登ったのだなと思うと笑っちゃいます。
あー...登って良かった。
(カッコイイこと言ってますがただのピークハントです)
会社のiPhoneで撮影
薬師岳は無理。
黒部五郎岳へのピストンは行けなくも無いが、風が強すぎる事、気温が上がった時の雪の状態が心配な事から断念。
◼️下山へ
小屋まではあっという間で40分くらい。
小屋で片付けを1時間ほど。
あとはゆっくり下山
13:37 飛越新道登山口到着
行きは8時間20分かかったのに、帰りは3時間程でした。
ここから地獄のロード7km。
ザックが肩に食い込み痛い痛い。
もう写真撮る気力も無し。
15:09 和佐府橋到着
無事下山しました。
とにかく肩が痛い。
着替えてると地元のおじさんが「 あんたたち良く行ったな〜 」と呆れも含めて笑いながら興味津々の会話。
ここの集落すごいです!
冬期は県道1本しかなく高山市まで車で2時間かかるとの事。
どう生活しているのか不思議で調べたくなりました(笑)
◼️夜は
TJARの仲間である雨宮さん大原さんが名古屋に来てるとの事。
急いで名古屋に戻りTJAR軍団で20時から23時まで飲み会です!
ポールも名古屋まで来てくれました。
◼️最後に
ポールがリベンジで4月もう一回薬師岳にチャレンジするとのこと。
当然私もとなりますが、ちょっと考えたい。
それぐらい疲れてます。
あと仕事休めるかな〜。
来週は山はお休みにします。