前回1/16-17に挑戦も大地獄手前の急登で、ラッセルと不安定な雪によりで敗退してます。
今回はTJAR同期の高田さんと。
ご存知無い方も居るかも知れませんので、改めて紹介すると高田さんはTJAR2016も合格しておりましたが、その時の練習不足があった自身の体力等を懸念し辞退しております。
なのでTJAR2016は29人の参加となった次第。
実力や判断は折り紙付き。
どこかの突っ込んでつぶれるヤツとは大違いですね!(汗)
因みに同じ年齢です。
■2/6(土) 朝5:00
駒ヶ根のSEIYUで待ち合わせし買い物を少々。
朝移動だったので眠くて仕方がありません。
6:10 駒ヶ根スキー場の駐車場をスタート
前回荷物が重くて潰れかけたので、今回お酒はウイスキー700mlとビールは1本のみ。
込み込みで18.5kgくらい。
高田さんが20kg。
荷物が軽いせいかペースは上々。
50分で林道最上部の駐車場到着。
トイレの裏に秘密のルートがあるのでそこを直登。
数時間前に1人登っているようで、その方のトレースを追って行ったら要らぬ池山山頂に到着。
下手こいた。
でも池山山頂からの景色がそこそこキレイ。
8:16 池山小屋到着
1本しか持って来てないビールを一気飲み。
美味い!!
ここでワカン/スノーシューを履きます。
前回もここでアイゼンとワカンを付けましたが、ここから雪が急に深くなるのです。
“尻無し”に9:14到着。
雪はモナカ。
前の方がラッセルして潰しててくれているので楽チンです。
“尻無し”からは尾根ルート。
ここはマセナギと言う名の通り、南側が崩壊してますのでやや右側を歩きます。
池山小屋からマセナギまではCT1:00ですが、今日先行者のラッセルのお陰で少し速いとは言え、尾根は一般ルートでは無いので1:30くらいはかかります。
マセナギから迷い尾根へ。
アイゼンに変更。
ここからが急登で、前回ここの半分くらいまでで5:30かかり撤退しています。
雪質次第ですが、そこまで難しくは無いものの傾斜が60°くらいの所もあり、ストックだけでは登れません。
冬季空木の一つ目の難所です。
ザラザラで滑りまくり。
蹴り込んだり木を使い登って行きます。
1名の先行者は踏み跡からすぐ前にいると推測。
迷い尾根直登を終えると今後は第2の難関である大地獄小地獄に。
大地獄はロープを使い直登しました。
モナカ雪なので、表面がバリバリ落ちていき中はサラサラ。
アイゼンが刺さらず岩まで蹴り込み前爪で登って行くイメージです。
かなり不安定。
小地獄はクサリを掘り出し対応した。
ただ滑ると相当下まで落ちるので要注意。
小地獄クリア後も難所が続きます。
先行者が1人で行ってるのにただただ驚く。
しかも日帰り装備であろう。
追い付かないです。
■ここ無理でしょ.....
目の前に“ヨナ沢の頭”が壁のように大きく聳え立ちます。
ここが空木最大の難所。
ただこれを乗り越えればあとは緩やかに登るのみ。
少し休憩をしていると、目の前に人が立ってました。
50歳くらいの男性一名で先行者の方でした。
「 撤退です。腰まで雪に埋まります。ヨナ沢の急登が登れません。」
「 一人でロープも使わず来るなんて凄いですよ 」
「 左に巻けば良いかも知れませんが、ルンゼがあって難しいですね 」
肩で息継ぎをしており相当疲れているようだ。
朝3時スタートで我々より3時間多く行動をしているし、一人でルートを探しながらラッセルして来ていたので、我々の数倍疲れているだろう。
「 お疲れ様でした。チャレンジしてみます。 」
数年前の“岳人”でモンベル社の女性社員の父親が、残雪期にこのルンゼで滑落し亡くなられた記事を思い出した。
落ちたら200m以上はゆうに落ちるだろう。
毎年何人か落ちていると聞くルンゼだ。
「 レコ探しても、厳冬期の空木は無かったんだけど、それだけ難しいって事だな 」高田さんが言う。
攻略しても安易に真似する人がいるから、上級者はそこも含め載せないのだろう。
雪が更に深くなったが、先程の男性が登った地点まで進む。
ここからロープで更に登るが、支点が取れるところが無くなった。
右は切れ落ちている。
左のルンゼを通過するか、それとも直登するか。
直登するにせよ傾斜が70°以上に見える。
雪は脆いが深い。
あと少し、50mくらい登れば終わるのに....。
ここで撤退を決めた。
■下山
帰りは帰りで、高度感が直に伝わってくるので更に慎重に降りた。
途中の野生動物観察小屋のテラスで休憩と食事。
そのまま夕方まで休憩し、赤石山脈にあたるアーベントロートを撮影。
中古だがミラーレスカメラを買ったので、これが撮れてだいぶ満足だ。
駐車場に戻って車中泊しながら星空も撮影。
望遠レンズが5倍なので、そこまで感動の写真にはならなかった。
星の軌道も撮影したが、北極側や山も一緒に撮らないとただの線。
寒すぎてバッテリーが落ちるので、体温で何度も温めた。
朝5時起床。
また池山の途中まで登ってモルゲンロートを撮影。
木曽山脈は単独峰のように他の山脈が遠く、モルゲンを反射するのが自身のいる山塊なので、朝陽はいまいち。
眺望は良いが、朝陽夕陽は全然ダメだ。
これは赤石山脈や御嶽山から木曽山脈を見ても、同じく遠くていまいち。
アーベントロートは茅野から見る八ヶ岳が最高だ。
■その後
朝8:30
池山から降っている最中に一名の男性とすれ違った。
会話をすると厳冬期空木の難しさを教えてくれた。
その方も今日はゆっくりのスタートで“尻無し”まで下見との事。
「 空木の厳冬期は運が必要 」
中々説得力のある言葉だった。
その後高田さんと分かれ、菅の台バス停前にある登山ショップのODSKを訪問しコーヒーをご馳走になる。
後は駒ヶ根市内の幸楽苑でラーメンを堪能。
幸楽苑は飯田市/浜松市より以西には無いので、ここに来たら食わねば!
(携帯忘れて、この日2回訪問/2回ラーメンを食することに)
あとは美味い日本酒で有名な信濃錦さんを訪問。
ただ休みでした。
せめて何か買おうと言うことで、綿半(スーパー)で遠山ジンギスのシシジンとシカジンを購入。
1人でこんなに食えるのかしら?
■最後に
今季空木2度目の撤退も、最後の核心まで辿り着いた事。
またそこを攻略するのに、何が足りないのかを少し理解できただけで大きな収穫でした。
木曽側のルートの方が良いと言う人も居ます。
でも環境次第。
天候が悪かったら相当なエキスパートでも無いと難しいと思います。
今回少し悔しかったですが、高田さんとの登山は本当楽しかったし、勉強になりました。
今週は建国記念日の旗日休みがあるので、木曽山脈のどこかに行く予定。
もっと雪の状態やつき方、経験を積んで再度空木にチャレンジしたいと思います。