2018年09月05日

【 TJAR2018】6日目前半

8/17 0:00 
新蛇抜山付近

※余談
大井川源流東俣をとことん登ると間ノ岳に出る。
私はまだ行った事がないが、そこには廃道があり小屋もある。
塩見岳に登る雪投沢や、黒河内岳へ繋がる奈良田越、他にも農鳥岳へ繋がるルート等あるらしいが、私は知らない。

その中の1つで新蛇抜山に登る廃道があり、聞いただけで興味がそそる。
1/25,000地図だとルートが途中まで記載してあったが、藪漕ぎや道迷い覚悟で行くと考えると1泊2日だと厳しそうだ。
TJARを引退したら、三連休はこの様なマニアックな登山をしたいと考える。
何なら(許可貰えれば)整備してもいいくらいだ。
トレイルランに冷める一方で、このようなサバイバル的な登山に魅力を感じて仕方がない。


◼︎本戦
「 これが廃道かな? 」
石田賢生選手と新蛇抜山左手の林を中を覗きながら、廃道らしき道を見つけて喜んだ。

もちろんTJARにそんな廃道は関係無い。
でも雨が降る夜中でそれを見つけただけでも、少し気が紛れて幸せになった。


何を話したか覚えて無い。
確か今日明日の計画だっただろうか、そこから黙々と2人で北荒川岳を登る。

北荒川岳に出るとやはり風が強い。
それでも風速は15mくらいで昨夜より緩んではいた。
雨も小雨に変わり今日の天気は期待出来る。

北荒川岳特有ののっぺりした場所はルートが分かりづらい。
石田選手がリードしてくれるので、私は信用して付いて行くだけ。

塩見に取り付く所で風がまた強まったので防寒着を着る。
ついでにヘッデンの電池交換。

塩見山頂を見るとヘッドライトが1つこちらを覗いていた。
後から分かったが3時間前に熊ノ平小屋を出た及川選手だった。
及川選手は北海道ゆえにこのルートは初めてとの事。
夜間で風雨が強い上にこの迷いやすいルートで時間が掛かったのだろう。

蝙蝠岳分岐を越えて、塩見岳まであと10分の所で強い睡魔が襲って来た。
とてもじゃないが起きてられない。
石田選手に3分だけ寝ると伝え、先に山頂に行ってもらう。

3分だけ座って仮眠。

起きてまた山頂に向け登っていると北荒川岳付近にヘッデンが3つ、4つ見えた。
片野選手か鹿野選手だろう。
ヘッデンを点滅させ「 ガンバレ 」と合図を送る。



8/17  3:00 塩見岳東峰到着。
3分寝たのに相変わらず睡魔がひどい。

西峰まで5分で行き下山へ。
ヘルメットは熊ノ平小屋で既に付けていた。

危険な鎖場を慎重に降りるが、自分が思った場所に足が置けない。
寝不足で自律神経がやられており、感覚に異常をきたしていた。
「 あぶない、あぶない。慎重に、慎重に。三点支持、三点支持。」
自分の身体をコントロールするのに、修正するのに、一苦労だ。


03:50
鎖場を終えた小ピークの上で石田選手が登山者と会話していた。
登山者が三伏峠へ行くのに塩見を登っていたので逆走してると指摘したが、なかなか信用してくれないとの事。


04:04小屋手前で小関カメラマンと長浜泰江さんの写真撮影あり。
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写真は石田選手、私、道迷いした登山者。


4:30
塩見小屋到着。
石田選手はそのまま三伏峠に行くと言うが、私は少し寝たい。
そしてご飯を食べればまた復活出来る。
そう考えると、三伏峠までノロノロと行くより、その辺でゴロ寝して小屋利用が出来る5時を待ち食事してから行ったほうが総合的に早いだろう。
小屋からちょっと離れた所で体育座りし25分仮眠した。

5:00 塩見小屋に入れて頂きカレーを注文。
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僅か9分今までで一番豪華なカレーがどんと!
ハンバーグカレーです!
最高に美味しい!!!

食べるとすぐ便意でトイレへGO!。
ここは200円で袋を買いその中にするので、抵抗ありかと思いきや座った1秒後にストン。
しかもペーパー要らず。
我ながらなんて便利な身体でしょう....。
携帯トイレをいまだに使ってません。


5:30くらいから三伏峠に向け下山開始。
食事休憩の間に片野選手と鹿野選手に抜かれていた。

30分寝たのと食事で完全回復。


06:53
10分先に塩見小屋を通過した鹿野選手に追いついた。
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ペースは速いが歩きながら軽く会話。
「 昨夜寝れた?俺1時間も寝れなかったわ...」
「 (テントを)クロスオーバードームにしたので熟睡出来ました 」
「 うそー!!? 」

南アルプスは天候が悪いと見てシェルターからテントに変えたそうな。
なんか賢い。
リスクを考えたら普通なのだが、この選択をしたのは鹿野選手のみ。
流石医者である。

私が速いペースで押した事で逆に鹿野選手がスイッチが入り引き離され始める。


7:30頃 三伏峠到着
石田選手、片野選手、及川選手、鹿野選手は小屋外でカレーを食べているとの事だが、私は塩見小屋で食べたので、ここは足裏ケアと10分仮眠。
1時間に一度睡魔が襲って来て、その度ペースダウンするようになっていた。
隙間を見て寝るのが、トータルで見た時に良い方向になるよう意識していた。

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一度スッと落ちたので7分くらいで気持ちいい目覚め。


1人で再スタート。
NHKカメラマンが後ろに付く。
烏帽子岳の登りでヒザに激痛が再度走り始めた。
ペースは悪くないが、この痛みが煩わしい。
ここから7位まで復活する計画なのに...。
大きな声で「 しっかりやれよっ!なさけねーな!!おまえは!! 」と叫び自分の脚を叩きながら喝を入れる。


9:20
小河内岳で後ろを見たら10分以上離れてたので、15分くらいの休憩を入れる事に。
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小屋でトマトジュース2本を一気飲み。
あとポカリを2本補給。
この小屋はUSENかFM?何かが流れており、その場で流れていた歌がすごく良くて....。
稲垣潤一の“夏のクラクション”のような歌だったが、ちょっと夏の終わりの淋しさがある曲だった。

入れ替わりで石田選手も小河内小屋にやって来た。
もう二人ともグダグダだ。

片野選手が先にいるらしく、淋しいので追う。
この辺りは及川選手と片野選手と行ったり来たり。
1人1人調子の浮き沈みが激しい。
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及川選手をパチリ。
石田選手に続き、お互いグダグダだ。


11:30
高山避難小屋手前のガレ。
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一応このグダグダ集団のトップで通過。
適当に写真を撮った。
ペースは遅いが他の選手がもっと遅いので、ひとまず根拠のない安心感。


12:00頃
高山避難小屋到着。
カップラーメンとコーヒーを注文。
食べていると次に来たのが医者の鹿野選手。
フルーツ缶詰を注文。
途端にカップラーメンを食べている自分が恥ずかしくなる。

高山避難小屋のご主人がTJARに非常に協力的で、ブルーシートで仮眠スペースと白板にコメントが書けるようになっていた。

「 No.22 男澤博樹  ここからもう一回がんばろう! 」

面白くもなく気の利いた言葉じゃ無かったが、そう書き荒川前岳に1人向かった。
posted by 男澤ヒロキ at 16:43| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月04日

【 TJAR2018】5日目後半

8/16 12:00
南アルプス野呂川越通過

※余談
今回の私の拘りだが、(よほどの緊急時以外)テントは指定地以外で張らない。
大会自体が注目されている事もあるが、選手個人の山でのモラルも見られていると感じているからだ。
そしてその本人のリスクも増える事。
最下位ならスイーパーのリスクともなる。

実際ブリーフィングでも前例を出ており、その部分がデリケートになっていると感じた。

TJARの選手たるものと言う表現はおかしいが、予め行動計画を作っておけばテント場で野営で計画にするだろう。
何かあって遅れた場合は区切りが良い所まで下方修正だ。
自分のリスクを最小限にしながら、トレイルに負担をかけない、山のルール遵守で行く。
それが本来あるべき姿だと思います。

またビバークとも呼ばないようにもしている。


◼︎本戦
野呂川越えから三峰岳へは千塩尾根づたいを凡そ800m登る。
私の中のTJAR三大イヤな区間第2位だ。
しかもここは奥地過ぎて応援者どころか登山者も来ない。

森林の中の尾根を淡々と登る。
尾根西側に当たる風雨が吹き抜ける時とても寒い。

辛いのはその寒さでも、ヒザの痛みでも無く、雨でも無い。
とにかく眠い。
それがどれにも勝っている。

それもそうだ。
この二日間まともに寝て無い。

登りながら何度も気を失う。
それを対処しようとしても今の環境が悪過ぎる。
今、この状態でゴロ寝でもしたら低体温症になるだろう。
せめてシェルターが張れ雨だけでも凌げれば。
でも指定テント場以外は絶対張らないと決めていた。

ひたすら我慢が続く。
改めてTJARは過酷だ。

何度も同じような尾根の登りを行く。
まるで夢の中にいて騙されているかのように。


やっと鎖場が見えた。
これで7割くらい?いや6割くらいだろうか。
少しホッとする。

鎖場を登りきるとストックが一本無い。
下を見ると登山道とガケの微妙な間に落ちていた。
また危険な鎖場を降りて、自分を確保しながら回収。

本当私は運がいい。
これがあと1m遠かったら、回収出来たかどうか。踏み外せば奈落の底だ。

尾根西側を何度もトラバースしながら登る。
西風が強いのに加え上からも、吹き下ろしの風がイレギュラーで来るのでバランスが崩れやすく歩きにくい。
そして何度も偽ピークに騙される。

急に東側にトラバースした所で三峰岳分岐に到着した。


14:17
三峰岳山頂到着
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暴風雨で途中から眠気が飛んだのもあり意外良い着地タイムだった。

ここからもイヤな下りが続く。
三国平のノッペリした部分ではこの日最速の風で立てない。
BB弾を背中一面で受けている感じだが、これぐらいは慣れっこだ。

ここで15:00に。
この状態で塩見岳越えの三伏峠まで6時間掛かる。
それは危険過ぎるので諦めた。



小屋到着が15:30。
何度も屈んで風雨を堪え凌いだので相当遅くなった。
風にあたり過ぎて体力疲労も凄い。

小屋ではストーブにあたりながら及川選手と片野選手がカレーを食べていた。
私もカレーを二杯注文。
もっと食べれるが、後から来るメンバーに残しておかないと。

手袋と靴下を乾かしながら2人と会話。
もう2人ともこれ以上は危険の判断で、流石TJAR選手。

その後石田選手が先頭で、柏木選手、鹿野選手、古澤選手が到着。
古澤選手が石田選手に握手して「 本当ありがとう 」。
非常に厳しい場面だったと思うので、経験者の石田選手が居た事で心強かったのだと思う。

それから更に後で阿部選手到着。
若干顔色を悪くしながら「 申し訳ない 」と何度も謝る。
ペースが遅れた事、心配かけた事を謝ったのだと解釈した。



小屋におられた登山者からの情報で、長野県に竜巻注意報が出ているとの事。
風速も25mを体感的に超えており、大会中止の可能性を感じた。

後続も心配だ。
仙丈ヶ岳越えたら野営ポイントは両俣小屋まで下山するしかない。
南アルプスはこの部分で高い経験と体力が求められる。
そしてリスキーだ。


それよりも自分だ。
この暴風雨の中でシェルターで寝るのか。

先ず他の選手よりも先にいいシェルター設営場所を確保しよう。
小屋の女性従業員に聞くと、一番遠い場所が風が弱く水抜けも良いとの事。

だが、他の登山者に聞けば小屋の真下の樹林帯が良いとも。

雨の中遠くまで行って設営するのもシンドイし、他選手の動向も見れないので小屋の真下に設営を決めた。

これが大間違い。
大学生の集団が2つ大きなテントを設営しており、そのテント間に平な場所があったので、リーダーらしき人にこの場所に張らせて頂く旨の許可を取った。
「 僕らは構いませんが、ここ全然良くないですよ。誰がそんな事言ってるのか...。」

寝ても3〜4時間だし、すぐ寝るから大丈夫と伝え設営。
追って私から3m離れた斜めな場所に柏木選手も設営。

ところが、スコールが何度も来てシェルター無いのヒモからポタリポタリと水滴が落ち顔に当たる。
顔の上のヒモをハサミでチョ切りし対応。

少し寝ると今度は足が濡れている。
あれ?身体にも冷たい水が入って来ているような....。
でも無視して寝る。



寒くて起きた。
あり得ない。シェルターの下が川になっており、その川の水がヴィヴィ(寝袋カバー)の中にバンバン入って来ていた。
「 ここ最悪じゃん!! 」

チャックを開けると片野選手が「 これ無理っすわ! ! 」とシェルターごと抱きかかえ退避して行く姿が見えた。
「 柏木さん!これヤバイよ!一旦退避するわ!! 」
隣のシェルター内の柏木選手に話かけると、
「 自分の場所、斜めなってるんでうまく水が抜けてるんです 。」
でも、(寝れず)起きているんだなと思うと笑ってしまった。


シェルターだけ放置し、荷物を抱え小屋の軒先に行くと石田選手、片野選手、阿部選手が既に退避していた。
外はバケツをひっくり返した様なスコールだ。


先ず低体温症にならぬようガスで白湯を沸かし飲む。
その後ヴィヴィを絞り身体に巻きつけて、ベースレイヤーごと体温で乾かす。
ダウンのみ脱ぎ、これもガスで乾かした。

石田選手達はもう一度シェルター内で寝るチャレンジをするとの事。
私1人が取り残された。


20:30頃
及川選手が出発準備。
まだ天候がヤバイと注告するが、寝れないとの事でなら身体を動かす選択をしたと、暗闇の塩見に向けて出発して行った。

自分は体温を上げるべくカロリーメイトを6本食し、再度シェルターに戻って睡眠チャレンジ。
シェルター内の水が5リットルはあるだろうか。
一旦逆さにし水を出した。
その後違う場所に移動して再度設置。

さっきより幾分かマシだが、やはり水が少しづつ溜まって行く。
頑張って頑張って1時間寝る。



22:00頃
またヴィヴィの中に水が浸水して来たので目が覚め退避を決断。
ここまで来ると及川選手のようにリスク承知で出発したほうがまだマシだ。

もう一度白湯を沸かし飲んでいると、誰かが三峰岳方面から歩いて来た。
「 ウソでしょー!!? 」
原選手が到着。
「 いやー、手こずりました。両俣に降りるべきでした。風雨が酷くてコンパス使いながらですよ。途中立ってられない上にBB弾でした。 」
もともとこう言う性格なのか意外と明るい。

「 どうする?ここヤバイよ?オレもう無理。身体温めて湯たんぽ作ったら出発する」
「 この先に野営出来る所があるので、そこまで行こうかと。」
「 もう少し話そうよー 」
私がそう言うと原選手も腰掛けて食事の準備を始めた。

大きなコッフェルに食事も小分けにし充実しているのに驚く。
モヒカンと言うかチョンマゲと言うか、ワイルドな感じなのに、意外と繊細で考えた装備品だ。
かたや隣で白湯を飲みながら、カロリーメイトを食すひもじさや。


雨が小降りになったのでシェルターをダッシュで撤収。
中に溜まった水がすごく、原選手がそれを笑いながら写真を撮った。

原選手とはこれっきりとなったが、この僅かな時間だけで一気に打ち解け、このレースの苦しいポイントを共有出来た事で、一生の想い出となった。



原選手はこのまま熊ノ平テント場で野営。
私は石田選手と一緒に23:00頃に塩見岳へ向かった。
posted by 男澤ヒロキ at 17:33| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【 TJAR2018】5日目前半

8/15 23:45 市野瀬

※余談
この夜は市野瀬で盆祭りが行われた。
誰に聞いた話か覚えていないが、地域の方々がTJARのあるこの日に合わせたとの事。
そう考えるとこの地域の方々にもTJARは根付き歓迎されている。
非常に嬉しい事だ。

焼きそばにビール、トウモロコシ。
応援に来られた方含め全員が笑顔になった。
仮眠を取る選手も寝れないと言いながら苦笑いし、それを思い出の1ページと考え楽しんでいるように思えた。
本気で寝る選手は柏木まで行けたと思うし、少しではあるが、地域貢献と脚光を浴びれたのだから幸せだ。
私は仙丈からの出戻りながら、運良くこの盆祭りに遭遇し、非常に楽しく気持ちの良い時間を過ごさせて頂きました。



◼︎本戦
片野選手が出発の為NHKの撮影に入る。
私は邪魔にならぬよう後方で待機。

鹿野選手が不思議そうにその様子を見つめるので、実は2回目のスタートだと説明。


片野選手とは何度も一緒にアルプス練習した仲なので、この機会が出来て嬉しかった。
だがスタート早々から調子がいまいちそうだ。

柏木で寝たいとの事なので登山口駐車場の上のアスファルトで2人並んで10分仮眠した。


そこから1時間一緒に登った林道の水場手前でまた寝たいとの事。
「 ウソでしょー!!!? 」
でも、かなり厳しそうだ。

「 30分だけ... 」
シェルターを張り寝る片野選手。
私はマットだけで横になったが、その瞬間に雨が降り始めたので、カッパを着込んだ後片野選手に一言先に行く旨を伝え出発した。


一人になってからの私の睡魔も酷い。
地蔵尾根を登りながら右手にずっと金網が見えるので寄りかかると草むらに倒れこむ、そんな状態が続く。
この状態は少しマズイと思い松峯小屋に降りるコルの手前(覚えてない)で20分ゴロ寝。
それでも右手の金網が消えなかった。

地蔵岳東斜面をトラバース。
14時間くらい前にもここを通っている。
登りでも何でも無いトレイルだが、2回目はやはり苦痛しか無い。

この付近で及川選手に抜かれる。
足取りが軽いので「 調子良さそうだね 」と質問すると、日増しに調子が上がっているとの事。
そう言えば雨宮選手が「 及川くんは後半型 」って言ってたな。


森林限界最後の急登。
1歩1歩頑張りながら登る。
ザックが1つ放ってあったので、誰か落ちて無いか見渡した。
稜線に出る最後の九十九折で、山と渓谷社のカメラマン金子さんの撮影。
さっきのザックは金子さんのだったのか...。
この暴風雨の中、撮影に来る金子カメラマンのプロ根性が凄い。


稜線に出ると暴風雨。
そんな中、アラジンの女性4人がキャーキャー降りてきて声援を頂く。
この暴風雨なのに凄い楽しそう。
自分は早いところ仙丈小屋に行きご飯が食べたい。

仙丈ヶ岳と仙丈小屋の分岐で応援者2名。
この応援方法に色々思う事があり、私も気が立っていた面もあるがかなり憤りを感じた。
(でもまだまだ修行が足りないなと、落ち着いた今頃反省)


8/16   07:50
仙丈小屋に到着。
及川選手がカップラーメンを食べている最中。

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自分もカップ麺を1つ注文し食す。
カレーが無いのかと落胆していたら、管理人の加野さんから白米なら出せますよとの事。
嬉しい!キムチとふりかけでご飯を頂く。
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そうしてると片野選手到着。
結局あの場所で1時間寝たとの事。

及川選手が入れ違いで出発。
私もトイレを済ませ5分後に出発。


仙丈ヶ岳から大仙丈岳の稜線はやはり風が凄い。
片野選手が走って追いついて来た。
「 いよいよマズイすわ... 」
ストックが折れた事、この暴風雨、脚も良くないとの事で両俣小屋下山(リタイア)も検討したいとの事。
でも足取りが軽く「 寒いから走って下山する 」と颯爽と居なくなった。
これを見ていて、まあリタイアは無いだろうと一安心。

私は一向にペース上がらず。
2回の仙丈ヶ岳登山が相当なダメージ。
おまけにこの2日間まともに寝て無い。
しかも雨。
俺の方が両俣小屋に降りたいわ!と片野選手、及川選手の遠い背中を見ながらボヤいた。


11:40
横川岳到着
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少しゴロ寝と考えていた横川岳でさえ雨風が強く断念。
それより、市野瀬からここまでで12時間って信じられないくらい遅い。


私以上に後方は風雨に晒されるしペースも遅いだろう。
リタイア者がそろそろ出てもおかしくない。

仙丈ヶ岳以降応援者どころか登山者も居なく、寂しさと不安が募っていった。
posted by 男澤ヒロキ at 05:43| Comment(2) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年09月02日

【 TJAR2018】4日目後半

8/15 11:10 市野瀬 柏木
※余談
柏木に来る度考えてしまうのが、この数軒しか無い集落の方は何故ここに住んでいるのか、どう言う歴史があって、どう言う生活をしていたのか。

孝行猿の石碑があるように、猟師だったのか?
それとも林道が多いから林業なのか?

2年前の小河内避難小屋の管理人さんだったご夫婦が、市野瀬に住んでおられてその話をした時に、少しだけその不思議を教えてくれた。

猟師や林業は兼業程度で、本業は養蚕業(ようさんぎょう)。
諏訪や岡谷が近いので、製糸工場に蚕糸を出荷し生計を立てていたとの事だ。

長野県(特に南部)はこのような人里離れた高地に、まるでマチュピチュを想像させるような集落が多く、私的に興味が唆られる。
いつまでもこの集落が存続すると良いのだが、時代の波に飲まれ消えてしまうのだろうか...。
古き良き日本がこう言う集落にまだ残っている気がする。



話をTJAR本戦に戻そう。
柏木から淡々と仙丈ヶ岳に向けて地蔵尾根を登る。

松峯あたりから小雨がパラつきはじめた。
6月頭に試走した時から更に林道が入り組んでおり若干ロス。
林道を下を向いたまま進むと登山道への復帰路を見失うのだ。

地蔵岳への急登。そして東斜面のトラバース。
トラバースが終わって又急登。
風が強い。
予想より早く天気が崩れ始めていた。
雨も普通に降り始めた。
もう松峯からレインの上を着ていたが、下のレインウェアも着ようとザックを地面に置きビニール袋に手を入れた。

「 あれ??ない...  」
他のビニール袋も見る。
「 やっぱり無い 」

さてと。
今の持ち合わせの装備だとメリノタイツとポリゴン2ULダウンパンツか。
今日明日タイツで凌ぎ、明後日からダウン。
ガスで乾かしながら行けば行けなくも無い。

まてよ。
明日暴風雨になるのが分かってて万が一低体温にでもなったら?その時の保険が無い事になる。
いや。
それ以前にこれはレギュレーション違反だ。
誤魔化そうとする自身の行為に自分が納得出来るのか。
完走したとしてもそのウソを墓まで持って行くのか。
他選手よりも150g軽かったとも取れる。
そんな事出来ない。


既に15:00。
市野瀬を発ち4時間30分経過しようとしていた。
対応方法を3つ考えた。

@一度仙丈ヶ岳に登り北沢峠へ下山。そこでレインを買う。

A北沢峠でレインが売って無かった場合、バスで下山。バスが無かったら走って戸台口まで25km走り、そこから市野瀬まで更に3km走る。

B普通に来た道を下山。

消去法だが@の北沢峠でレインウェアが売っている確率は低い。
その場合Aになるが、はたしてバスがあるかどうか。
確か終バスが16:00くらいで仙流荘止まり。
先ず終バスに間に合わないだろう。
もし間に合っても、明日朝また同じ方法(バス)で北沢峠から仙丈ヶ岳に登り復帰が認められるので、明日の仙丈ヶ岳到着が9:00くらい。
恐ろしいロスタイムだ。

結局散々考えたが、Bの普通に来た道を下山するを選んだ。
電波の届く位置まで行き、TJAR実行委員の湯川さんと竹内さんに電話で事情を説明。
市野瀬到着時間は18:00と伝えた。



.....落ち込むどころか笑えた。

ザックにシェルターが入らない....。
その時に2つ目のレインを取り出したが、下のレインを二枚も取り出してしまったのだなと思い返す。
黒くて小さいからしっかり確認しなかったな〜...。
新藤選手も見ていたな...きっと爆笑されるわコレ。

寝不足で思考が鈍り確認作業を怠っていたのだ。


でも良い思い出が出来た。
他の選手より10km?15km??
2,000m多く楽しめた。
そして前回同様、選手といっぱい会える。
ある意味ラッキーじゃん。

すぐプラスに変換出来た。

TJAR選手は繊細ながら図太くもある。
幾度となく辛い練習をして来る中、その部分も鍛えられている。

でもNHKさんに本当悪い事した。
これでTVでの特集から完全に外れたが、自分のミスだから仕方ない。
トップに返り咲けば面白い番組構成になったのに......。
でもまたここから精一杯頑張るだけ。



松峯から更に下山したところで江口選手と佐幸選手が登って来た。
だいぶ引き離していたのだと我ながら驚いた。

「 江口っちゃん、サコーさんゴメン...(号泣) 」
「 どうしたんですか...男澤さん。まさか....  」
声を詰まらせる江口選手と、何も言えない佐幸選手。
「 レインウェア忘れたから市野瀬に降りるわ!(爆笑) 」
「 なーんだ!おかしいと思ったんすよ!!(爆笑) 」
「 じゃーねー! 」

その後浜松からTJAR観戦に来たご夫婦がおり、談笑しながら少し一緒に下山。

柏木の入口で有吉選手が来た。
「 有吉さん、ゴメン...(号泣) 」
「 レイン忘れたんでしょ 」
あっけらかんと返答されガックリ。
市野瀬に居るメンバー全員が知ってるとの事でした。


市野瀬までもうちょっとの所でNHKさんの取材。
お互い爆笑。

橋の向こうにスタッフで参加していたTJAR2016メンバーがずらり並んでおり「 ゴメン!ゴメンなさい! 」とウソ号泣したら大爆笑だ。


18:00 市野瀬到着
みんな笑いながら出迎えてくれた。
デポの段ボールを開けると一番上にレインの下が。
「 あった! 」
これを見ていた方も笑えたと思う。


ちょうど雨宮選手が出発するところ。
「 (せっかく出発のシーンなのに)ザワさんに全部持ってかれた! 」


デポで望月選手と片野選手が寝ていた。
自分がお風呂に入って食事する事に。
お風呂までNHKさんの撮影でちょっと恥ずかしい。

風呂上がり後ノンアルビールを飲みながら望月選手の奥さんと会話する。

その後、市野瀬隣の校庭跡で盆祭り。
焼きそばを2つ食べてトウモロコシを4本。
あと自分のアルファ米と売店の酵母パン。
まだ全然食べれるが、これ以上調達出来なかった。

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0:00再出発を設定し市野瀬で寝る事に。
ところが花火の音がすごくて寝れない。
望月選手、片野選手は平気で寝ているように見えたが、後から聞けば寝れなかったと苦笑い。


そこから続々と選手が入って来るので、どうしても会話してしまう。
途中途中ウトウトするが、何度も目を覚ましては周りを伺い会話。
鹿野選手が点滴を自分でしていたのに驚く。

23:00望月選手出発。
もう出発準備が私は出来ていた事もあり「一緒に行かない?」的な事言われたが、片野選手と一緒に行く旨を伝える。

そこから30分熟睡。


23:40に片野選手と仙丈ヶ岳に向けて再出発した。
posted by 男澤ヒロキ at 19:03| Comment(8) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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